国立天文台のネットワー 図 5 三鷹・岡山間の遅延 三鷹→岡山 11.580 ms 11 .302 ms 1 JSAT HUB@yokohama 11 . 901 ms 621 .496 ms 596 . 153 ms 2 JSAT Termina1@0kayama 589.475 ms 図 6 囎わ則の結果 MSG サイズ帯域 (Mbps) 言サイズ 言サイズ 方司・経由 NAOJ → [VPN] →岡山 0.39 65536 32768 32768 NAOJ ← [VPN] ←岡山 32768 32768 0.32 57344 WIDE → [JSAT] →岡山 32768 32768 0.39 65536 WIDE ← [JSAT] ←岡山 0.31 57344 32768 32768 (TCP 、誌員塒間 10 分 ) 写真 8 言鑓場所 ( 後ろは観則ドーム ) YSCC—WIDE—SINET—国立天文台 ) があるので、ト ータルな帯域はこのあたりのトラフィック状況や衛星回線 自体の共有状態などに左右されます。この帯域の割当て は、ハプ局 (JSAT) によって管理されていますから、設 定しだいでは最大帯域を優先的に使うことができるかもし れません。 これらの結果から、国立天文台における DVB-RCS 回 線では、おおよそ 300Kbps くらいでの利用が可能と判断 しています。 乗鞍コロナ観測所での実里用は、冬季閉所が予想より 早まったことや準備した機材の問題などによって、実質 10 日間程度の運用にとどまりました。しかし、とりあえずは 利用可能であることを示せたため、 2004 年度は開所早々か ら運用を始める予定にしています。 アンテナ・ディッシュや ODU は、冬季閉所直前に取り 外して観測所の屋内に保管してあるため、運用を始める際 にはアンテナの調整と UAT をおこなう必要があります。 いまは、冬季にアンテナ台の破損や機材の故障がなかった ことを祈るばかりです。 取り外したアンテナの再調整と UAT のために、ネット ワーク管理者 ( つまり私 ) はまだまだ雪カっている高山 今回とほば同じです。なお、帯域言 t 測には netperf を使 に登らなければなりません。衛星を捕捉するためのアンテ ナ調整に必要なスペクトラム・アナライザ ( 重いうえに高 いました。 価です ) はヘリで運び上げてくれるので助かりますが、い 遅延は図 5 の値で、 RTT は約 0.5 秒となっています。 ずれにせよ体力勝負の体育会系の世界です。 帯域については、図 6 のような結果になりました。 思わす話カそれてしまいました。このような、通信衛星 VPN がある場合とない場合の両方を考慮して則をお を用いたネットワーク技術はかなり以前からありました。 こないましたが、インターネットを経由する区間 (JSAT さてさて 写真 9 前景の〕各は乗鞍工コーライン 77 UNIX MAGAZINE 2004.6
さらにトラブルが・ 開通はしたものの、今度は上位層のトラブルに見舞われ ました。 IPsec が通らないのです。観測所からインターネ ットの Web プラウジングはできるのですが、三鷹キャン ノヾスへの IPsec が通りません。さきほども述べたように DVB-RCS のアドレスは JSAT カ陏するものですから、 天文台内へのネットワーク資源へのアクセスも不可能です。 このままでは、観測所からメールの送受信ができなくなっ てしまいます。 衛星導入前は、携帯電話とダイヤルアップ・ルータを組み 合わせて三鷹キャンパスへ接続し、割り当てられた国立天 文台のアドレスを使って、メールの送受信などをおこなっ ていました。 IP-VPN カ駛えないとなると、衛星と携電話の使い分 けが必要になります。結果として、衛星を利用するたびに 運用の負担 ( ルータの切替えまたはデフォルト経路の変更 など ) がかなり増えてしまいます。ここは、どうあっても IPsec による三鷹への IP-VPN 接続を実現させなければ なりません。 いろいろと調べた結果、 JSAT のファイアウォールでの アクセス制御カ源因と分かりました。しかし、依頼した変 更が反映されるまでには、それなりの時間がかかります。 万一、なんらかの事情で変更カ材く可能であれば、携電話 によるダイヤルアッフ接続カ河能な状態に戻さなければな りません。 やきもきしつつ、ライプカメラの設置、切替えをおこな う場合のコストを最小にとどめるための機器調整、遠隔か らの操作を可能とするための機器の設定などを並行してお こない、日没 ( 安全を考えた下山までのタイムリミット ) を 気にしながら作業を続けました。 そのうちに許可設定が完了し、なんとか IP-VPN が開 通しました ( 、、なんとか " というのは、用意した IP-VPN 機器のライセンスにより、同時通信可能な台数が制限され ていたからです・・・・・・ ) 。 こうして、乗鞍コロナ観測所においても、プロードバン ド常日妾続が実現しました。 最終的な機器構成を図 4 に、設置場所の様子を写真 8 ~ 9 に示します。 76 図 4 構成枢 きには、観測所の方々も感動されていました。本当に苦労 Yahoo! で安曇地方の天気予報が、、絵入り " で表示されたと 生する " のチェックポックスをはずさなくてもよいのです。 、、画像を表示する " 、、音声・動画などのマルチメディアを再 ファイルを削除する必要はありません。 Web プラウザで もう、 9.6Kbps の世界とはおさらばです。メールの添付 されていたんですね。 局からハプ局方向へは 2Mbps となっています。 RCS ハプ局からターミナル局へは約 20Mbps 、ターミナル さて、気になる DVB-RCS の帯域性能ですが、 DVB- 回線の性能 このハプ UNIX MAGAZ 工 NE 2004.6 みました。利用しているネットワーク機器や衛星機材は、 イ勿理観測所と三鷹キャンパス間で、回線性能を計測して 2004 年 2 月に同様の設備を導入した国立天文台岡山天 はこれらより小さくなります。 分割多重 ) で共有します。したがって、実際に使える帯域 MF-TDMA (Multi-Frequency TDMA : 周波数・時 共有します。また、ターミナル局からハプ局への帯域は、 Multiple Access : 時分割多重 ) によりターミナル局間で 局からターミナル局への帯域は、 TDMA (Time-Division
SC 翡 好評発売中 ! 選りすぐり ワ - クステーション のおと 選りすぐり ワークステーション のおと を題えて生き残る ネマトワーク管理のココロ , ・坂下秀著 ・ B5 判、 176 ページ ・ ISBN 4-7561-4410-1 ・ 1 , 680 円 ( 税込み ) 写真 7 仰角言 ( 台座サイドのネジを言 ) c ““ 0 れ 0 製 ます。 ODU からの RF 出力をスペクトラム・アナライザ に分入力し、テレメトリ信号による目標衛星の探索、そ して、テレメトリ信号のレベルが最大となるように微調整 をおこないます。 やはりというべきか、衛星の捕捉にはかなり苦労しまし た。作業は、私と JSAT の竹井さんが交代でおこなった のですが、衛星は捕捉できても、テレメトリの周波数が一 致しません。最終的に JSAT YSCC に問い合わせたとこ ろ、捕捉した衛星は正しいのに、スペクトラム・アナライ ザで捉えたテレメトリ周波数がオフセットされていたのが 原因と判明しましたにのオフセットが ODU の仕様なの か、それともスペクトラム・アナライザの問題なのかは、現 在も明らかになっていません ) 。 このように 「やってみないと分からない」 という、、定説 " の正しさは、悲しいことにこんなところでも 証明され、午前 10 時から始めた設置作業は、お昼をはさ んで午後 3 時くらいまでかかりました。 衛星の捕捉後、 JSAT YSCC に連絡して UAT をおこ ないます。このテストでは、 YSCC での地球 ( 本ターミナ ル ) 局からの送信信号のモニタリングなどをおこない、送 信およひ受信が正常におこなわれているかを確認します。 1 回目の UAT では、アンテナの方向調整が最適でなか ったために、設置調整のやりなおしになりました。しかし、 2 回目の UAT で検証もぶじに完了し、衛星回線が開通、 DVB-RCS ハプ局への IP 通信が可能になりました。 時代を超えて生き残る システムとネットワーク管理の ココロ UNIX MAGAZINE で好評連載中の「ワー クステーションのおと」から、システム やネットワークの管理者にとって役に立 ちそうな、あるいは知っていると自慢で きるかもしれない、いろいろなヒントが 書かれた記事をいくつかのテーマに分け て厳選しました。語るものすべてが関西 弁になってしまう不思議な文章のそこか しこから、時代を超えて生き残る「管理 のココロ」が浮かび上がってきます。ぜ ひこ一読ください。 目次から ◆システムとネットワークの管理 ◆ハードウェアの分解 ◆便利な道具 ◆オフィスの引越し ◆い TI で文章を書く ◆自宅のシステムとネットワーク環境 株式会社アスキー 〒 1 60 ー 8584 東京都新宿区信濃町 34 J 日信濃町ビル 出版営業部電話 (03) 5362 ー 3800 75 UNIX MAGAZ 工 NE 2004.6